Think Airi 013 「絶対特権」と「PURE SNOW」と十時愛梨
十時愛梨が歌った2つの楽曲、「絶対特権主張しますっ!」と「PURE SNOW」について解説してみます。
・「絶対特権主張しますっ!」とは
カバーアルバムJewelries Seriesの第2弾に収録された楽曲で、高森藍子、 日野茜、 堀裕子、 星輝子の四人とともに歌ったパッション属性曲です。第1弾の「Orange Sapphire」がアツアツな二人を描いたのに対して、こちらは「恋敵」が(しかもたくさん)描かれている点が特徴です。
・「絶対特権主張しますっ!」のタイトルの意味
ところで、曲の趣旨を理解するためには、タイトルを「絶対」「特権」「主張しますっ!」の3つに分解すると分かりやすいかも知れません。
「特権」という単語を辞書で引くと「ある地位にある者に与えられる特別の権利」と出てきます。この「特別の権利」というのは歌詞でいうところの、あの人に近づいたり、ちょっとした変化に気づいてもらうことですよね。でも、「特権」は「ある地位にある者」にだけ与えられる権利です。つまり、この歌詞で言えば、あの人の本命・彼女という立場にある人だけが持つ権利なんですよね。
でも、この歌詞の「私」はその地位にあるんでしょうか?
ここで二番の歌詞を見ます。
あなた達は特別じゃない わたしの方が100倍気づかれ・てる・もんッ!
他人と比べて私が100倍。これ、「絶対」ではなくて「相対」ですよね。その理由は単純に「私」が本命である確証が持てない(もしくは証拠がない)からではないでしょうか。
では、何が「絶対」なのかといえば、発動する特権の威力の絶対性、つまり私以外には楽しそうに話すことも絶対に許さないよ、という意味での「絶対」なのかな、と思います。
どんどん届く挑戦状、このままでは取られてしまいかねない「あの人」。何としても「絶対的な力を持つ権利」を使わなければいけない。でも「権利を発動できるか危うい私」。
そこでどうするか。「主張」なんです。
そもそも「本命」であることが他から見ても明らかなのであれば、優しくされたとしても女の子が勘違いすることは無いわけです。主張するまでもなく特権が発動するはずです。特権を持っているか危ういからこそ、私のほうが好意を向けられているんだから、あなた達は撤退してくれ、と主張するするほかないんですよね。なので、この曲の一番の肝は「主張しますっ!」にあるんじゃないでしょうか。
・「絶対特権主張しますっ!」コミュでの十時愛梨
ところで「絶対特権主張しますっ!」がデレステに実装されたタイミングではイベントが開催され、コミュの追加と、上位報酬[絶対特権主張しますっ!]十時愛梨が登場しました。そのコミュもあわせて振り返っておきたいと思います。
本コミュでは歌唱メンバー5人が期間限定ユニット「ゼッケンズ」として活動する様子が描かれています。と書きましたが、実際には、ゲーセンでクレーンゲームをしてから、ボウリングする光景が描かれています。なぜなら、レッスンより先にまず仲良くなろう、というリーダー愛梨の思いがあったから。
とくに輝子に関しては「ぼっち」であることに負い目を感じていたところを愛梨が大事なメンバーとして仲間の輪に引き込み、エンディングでは「みんなで出かけるのも悪くない」と言うようになっていました。輝子がIndividualsなどユニットでも活躍するようになっている今日からすると、非常に印象的なコミュと言えるのではないでしょうか。
そして本コミュ最大の特徴は、十時愛梨がリーダーを務めているというところにあります。
実は、「絶対特権主張しますっ!」が収録されたJewelriesのCDではボイスドラマが収録されていましたが、そこでは藍子が他4人のフリーダムさに振り回されるという展開でした。絶対特権コミュの冒頭でリーダーに立候補した愛梨に対して藍子が意外そうな反応をしたのも、ボイスドラマの影響があるのかもしれません。
とはいえ、愛梨がリーダーシップを取るのは初めてではなく、2015年夏の海の家アイプロでは、中間コミュでの反省会で桐生つかさに話題を振られても的確にコメントを返しています。輝子も意外だと語っていましたが、十時愛梨、しっかりしているところはしっかりしているのです。
・[絶対特権主張しますっ!]コミュでの十時愛梨
一方、上位報酬[絶対特権主張しますっ!]のコミュでは愛梨の別の面が見えてきます。まずは特訓エピソードですが、テーマは「絶対特権」。しかし、その意味合いは歌詞中の、他人を退ける「絶対特権」とは異なります。愛梨が例に出したのは「周りから優しくしてもらえた経験」。そして、その優しさに甘えることなく、アイドルとして優しさを届けたい、と続きます。受け取った愛に、愛で返したい、というのは愛梨の根底にある大切な考え方であることは、他の記事でも何度か触れているとおりです。
( Think Airi 006 フェス限SSR プライベート・メイドを推してみる - think Airi project )
一方、親愛度コミュでは「越権」に重心が置かれています。といっても、愛梨は初期レアの時点で既に距離感が近いので、「一線」があったのだろうか…と思ったり思わなかったり。ただし、愛梨の十時家への想いは非常に強いものなので、「家族と同じくらい」という言葉は、もしかすると普通の文脈で使われる意味合いより強いものなのかもしれません。
・「PURE SNOW」とは
一方の「PURE SNOW」は、Jewelries Seriesの第2弾で十時愛梨がカバーした楽曲です。原曲を歌うのは佐々木ゆう子さんで、テレビアニメ「火魅子伝」のオープニングテーマでもありました。
この曲に関してはリクエストに基づく選曲で、実際にリクエストされた方のコメントはTwitterで見ることができます。
最終的にとときんには木根尚登さんプロデュース佐々木ゆう子さんのPURE SNOWで応募しました。(あと他に応募したのは不採用でしたが、ままゆに織田哲郎さんプロデュース相川七瀬さんの夢見る少女じゃいられない)
— maukumana (@maukumana) November 2, 2014
とときんのデビュー曲のアップルパイ・プリンセスはすごく幸せそうな歌なのでこれと対比する形で悲恋の歌というのもギャップを狙うのであれば悪くないと考えました。特にこのPURE SNOWという曲名はアニバーサリープリンセス特訓前のイメージと合うと考え決めたのですが
— maukumana (@maukumana) November 2, 2014
PURE SNOWの歌詞を読み込んでいくと、歌の中で振り返っている過去がアニバーサリープリンセスの頃、一枚の写真というのがシンデレラガール特訓前の部屋に飾ってある写真、と言う様に連想出来てもうこの曲しかないなと思いました。
— maukumana (@maukumana) November 2, 2014
底抜けに明るい「アップルパイ・プリンセス」と対になるように選ばれた、というだけあり、「PURE SNOW」では「友達の恋人とわかっていて好きになってしまった、結ばれない悲恋」が描かれています。曲調もバラードとなり、十時愛梨の新たな一面を切り拓いた名カバーといえます。
・「PURE SNOW」が十時愛梨に何をもたらしたのか
「PURE SNOW」で表現力を付けた面を見せてくれた愛梨ですが、思い返してみると、ごく初期のころの表現力は覚束ないものでした。キリって顔もこんな感じでしたし。
ぷちデレラのエピソードでは、こんな一幕もありました。そして、ここで目標だと言っていた「悲しい気分とか、切ない気分」こそ、「PURE SNOW」で表現した気持ち、そのものだったわけです。
その後も十時愛梨は進化を続け、モバマスではオトナな表情を見せてくれるようにもなりました。[空のおくりもの]から続く一連のSRは切なさや哀愁といった単語が思い浮かびます。
デレステにおいては、さらにPをも翻弄してしまうような、小悪魔的な妖しい魅惑も手に入れました。詳しくは以前に紹介していますので今回は割愛します。
「アイドルのために書かれた曲ではない」という点だけをもってカバー曲を軽んじる論もあろうかとは思います。しかし、「アイドルのために書かれた曲」だけでは本人とかけ離れた曲は歌えないですよね。その意味で「PURE SNOW」は、「好きになってはいけない人を愛してしまった切なさ」という、十時愛梨本人が経験することがなさそうな感情を歌えることを示せた点、一種のベンチマークテストとなった点が大きいと思います。
十時愛梨が「元気いっぱい」だけではないことを示した「PURE SNOW」は、アイドル・十時愛梨を一段上のステージへ引き上げた楽曲であり、書き下ろしのソロ曲に匹敵する歌だと、私は考えています。
・「絶対特権」と「PURE SNOW」と十時愛梨
ところで、並べてみると「絶対特権主張しますっ!」と「PURE SNOW」もまた対になっていることに気付きます。「絶対特権」が「あの人から愛されているかどうかに対する不安」の上に成り立っているのに対して、「PURE SNOW」は「私が愛していることに対する確信」が核にあります。そして「PURE SNOW」は「表に出来ない愛」ですが、「絶対特権」では表に向けて「主張」しているわけです。
振り返ってみると「アップルパイ・プリンセス」ではプリンセスと王子の2人だけが登場する、シンプルな恋の物語でした。そこに恋敵という要素を加えて、さらに2通りの方法で作られた物語が「絶対特権」と「PURE SNOW」でした。
表現力の拙かった十時愛梨が、同じCDで対極にある2曲を歌ったこと。今から思えば、彼女のテクニカルなブレイクスルーにあったCDだと言えるでしょう。
▼他の楽曲についてはこちら▼
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Think Airi 012 十時愛梨のアクセサリーを振り返ってみる
今回は少し趣向を変えて、十時愛梨が身につけているものについて 振り返ってみたいと思います。
・ハート形のネックレス
十時愛梨が身につけているアクセサリー、といえば初期レアからおなじみの「ハート形のネックレス」ですよね。2018年夏に登場した[あまほわギフト]でも同じ形のものを(しかも私服の時に)付けていることからも分かる通り、相当のお気に入りのアクセサリーであることが伺えます。
モバマス、デレステを通してこれまでに14回身につけていたことが確認できます。特訓前に多いのは、私服として身につけている(=お仕事では衣装に合わせて付けないこともある)ということなのかな、と思います。
ちょっと変わった「ハート」の例としては、[ふわふわメイド]でチョーカーにハート形があしらわれた例や、[はずむ花の湯]のバスタオルの柄がハート形であった例があります。
またハート形以外のネックレスの例としては[空のおくりもの]のクローバー形や[パンプキンパーティ]のジャックオランタン形があります。
さて、ハート形のネックレスに話を戻しますが、このネックレスはティファニーのオープンハートではないか、と言われています。実は先ほどお示しした愛梨のネックレスの一覧を見るとデザインが微妙に違うものがあることに気づくかと思いますが、ティファニーのオープンハート自体にもバリエーションがあります。冒頭で例に出した[あまほわギフト]でも、初期レアとは異なり、ダイヤが埋め込まれたローズゴールドのものを身に着けています。ちなみに、[あまほわギフト]で付けていると思われるネックレスをティファニーだと仮定すれば、値段は100万円を超えています。
ここで気になるのが、明らかに買い替えている(もしくは買い足しているか貰ったか)にもかかわらず、一番最初に身に着けていたものと同じ系統のネックレスを、ずっと使い続けている、という点です。しかしながら、愛梨本人の口から、ネックレスへの思い入れについて語られたことはありません*1。
彼女がなぜティファニーのオープンハート(と思われるネックレス)を愛用しているのか。ここで彼女の言動を振り返ると、「周りの人からの愛」というものを非常に大切にしていることが思い出されます。大切な人からの贈り物だから、使い続けているのではないか、という推論に至ります。
では、「大切な人」とは誰か。初期レアでPと出会う場面では既に付けていたネックレスなので、Pではない。とすると、残る可能性はひとつ。愛梨が付けているネックレスは両親から贈られたものではないでしょうか。
ところで「ティファニーのオープンハート」について調べてみると、面白い事実にたどり着きます。実はバブル期のクリスマスには、赤坂プリンスホテルに泊まりティファニーのオープンハートを贈る、というデートが流行っていたのだそうです。モバマスの開始時点でバブル崩壊から約20年、今ではもう30年に近付こうかというところですから、愛梨の親世代は、まさにティファニーのオープンハートが流行った世代です。
とすると、あくまでも推測でしかありませんが、愛梨が付けているネックレスは両親のデートでの想い出の品なのかもしれません。現物を愛梨がおねだりして譲ってもらったのか、もしくは親と同じものが欲しいと言って買ってもらったのか(もしくは自力で買ったのか)、いずれにしても、愛梨にとってネックレスは仲良しな両親と生まれ育った愛に溢れた十時家のシンボルなのかもしれません。*2
・ツインテールのリボン
十時愛梨の、もう一つのトレードマークと言えるのが「ツインテール」でしょうか。これまでの43回の登場機会のうち、ツインテールで無かったのはわずか2回。シンデレラガールズには髪型が一貫している子も多いので、これ自体は決して珍しくは無いと思いますが、それでもやはり、十時愛梨にとってツインテールは欠かせない存在です。
ちなみに、厳密に見ればツインテールには巻きが入っているときと巻きが入っていない時があります。ただ、お仕事でも巻きが入っていないときも多々あり、特に一貫性はありません*3。
そして、それを束ねる髪飾りも大切なアクセサリーです。
髪飾りの種類を大まかに分けると
・リボン
・ヘアゴム
・シュシュ
と、かなりのバリエーションが有ることがわかります。デザインはほぼ毎回異なっており、衣装に合わせたものをチョイスしているフシもあります。本人や衣装さんのこだわりもある部分かな、と思います。
もう一点面白いのはユニット衣装や共通衣装などでハットがある場合の対応方法。ハットを付けつつツインテールを崩さないのが愛梨流です。
「絶対特権主張しますっ」に関しては、ユッコがリボンにしていた*4のに対して愛梨はハットを被りつつ、リボンでツインテールを縛っています。
更に言えばデレステ版の衣装では他の子がヘッドドレスをリボンにする中で、なぜか愛梨はただひとりハットを選びつつリボンでツインテールを結んでいて、とても欲張りな感じになっています。ジャケットで被った帽子が気に入っていたから、その要素を残したかったのでしょうか…?
さて、ここまでツインテールを崩さない理由は何なのか、と考えてみたのですが、これもまた十時家にこじつけて考えると、例えば小さい頃に母親に結んでもらっていたおさげを、ずっとそのまま結んできたから、というストーリーも考えられそうですが、ツインテールに対する言及があまりないので、今後言及されたときに考えてみようと思います。
そのほか、小ネタを2点ご紹介しましょう。
・ネームプレート
これは[プライベートメイド]でも紹介しましたが、[ふわふわメイド]で付けていた名札がアレンジされて再登場しています。これも思い入れのあるアクセサリーなのかもしれません。
・プチ衣装
ガチャの副賞として登場したプチ衣装に関してですが、[いっしょにえいっ!]と[ホーリーリゾートナイト]では着ている衣装(体操着とビキニサンタ衣装)そのものでしたが、[空のおくりもの]では「焼き立てアップルパイ」、[ほろふわシフォン]では「ラブリーハートラケット」が登場しています。アップルパイとテニス、いずれも愛梨に関わりの深いアイテムから選ばれています。
十時愛梨が身につけているもの、という観点でお話をしてみました。
のんびりしていてふわふわしている印象のある彼女ですが、意外にも身に着けているものは初期から一貫していて、実は芯の強さのようなものを感じられるのではないでしょうか。
*1:[カップオブラブ]で「挟まった」とは言っているが、ネックレスの謎を解くのに役立つ情報ではない
*2:何かを記念して贈ってもらった、という訳ではなくて、あくまでも両親の想い出の品と同じ形をしている点がポイント。「プレゼントされた」という事実が大切なら、その現物を使い続けているはずだが、同じデザインで違うネックレスも付けているところを見ると「ハート形」という形に意味がある、と推測した。
*3:ただし、デレステの3Dモデルは2Dで巻きが入っていない場合でも巻きが入っているツインテールで統一されている。
*4:ちなみに堀裕子役の鈴木絵理さんは台湾公演でも他の演者さんが付けていた帽子は付けずリボンで通していたので、堀裕子はリボンというコンセンサスが取れているのかもしれない
Think 特別編 塩見周子はなぜラーメンをご飯もの付きで食べているのか
※先に断っておきますが、塩見周子の話というよりもラーメンの話をします。
ラーメン、食べてましたね。
えぇ、[羽衣小町]塩見周子の話です。
実は私、京都出身で、塩見周子はラーメンを食べる女だとずっと思っていたので、公式と解釈が一致して凄く嬉しかったのですが、ちょっとさっぱりわからないと思うので、「京都」と「ラーメン」について掘り下げてみたいと思います。
■京都のラーメンとは
京都といえば「和」を思い浮かべる人も多いかと思います。そして京都観光で料理といえば和食…というイメージかと思います。
しかし、京都のラーメンは「和風」「あっさり」とは対極にある、アグレッシブでこってりなものが多いんです。例えば京都のラーメンで老舗に数えられる「第一旭」さんのラーメンはこんな感じ。スープの色がすごく濃い。でもそれが美味しい。
ちなみに京都のラーメンはネギが盛られることが多いですね。京野菜に「九条ネギ」があるので、その流れを汲んでいるのではないか、という意見も聞いたことがあります。その意味では、京都のラーメンは京料理の末裔なのだ!とも言えるかもしれません*1。
そして京都のラーメンの特徴として、店によって独自の進化を遂げすぎていて「これが京都のラーメンの特徴」とテンプレ的にまとめることが出来ない、という特徴があります。こんな色のスープのラーメンもあるんですよ(「東龍」さんの東龍そば)。でも見た目に反して、意外とあっさりした味なんです。
なぜ店それぞれで進化しているかと言えば、個人的な考えですが、京都が観光客と大学生の街だからかな、と思っています。実は京都府は人口に対する大学の数と大学生の数が47都道府県の中で全国1位となっており、大学生の街でもあります。また、「自由の学風」(京都大学)、「自由と清新」(立命館大学)、「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」(同志社大学)など、「自由」を掲げる大学も多く、大学生が自由を謳歌する街であるといえます。街の人々も大学生を「学生さん」と呼んで贔屓にしてくれているのも、大学生の街と呼ばれる所以かもしれません。
観光地で「伝統と和」のイメージの京都に対して、学生が自由を謳歌しラーメン激戦区でもある京都。これって、実は小早川紗枝と塩見周子の関係じゃないでしょうか。そう、羽衣小町は「外から見られた時の京都」と「リアルな今の京都」の二人が交差して生まれる、京都そのものなのです。
だから、私は塩見周子はラーメンを食ってそうだ、と言っていたんですよね。
■塩見周子の食べ方はすごく正しい
話をラーメンに戻すと、京都のラーメンはご飯ものとのセットが定番であったり、おかずがたくさんついたりする点も特徴です。この写真の「唐子(からこ)」さんでは、握りこぶし大のからあげが3個ついてくる上に、カウンターに並んだおばんざい(お惣菜)も好きに食べて良い、という腹ペコ学生に嬉しい店になっています。
今回の[羽衣小町]塩見周子のラーメンは、北白川に本店を置く「天天有」さんの大井町店ではないかと言われています。ネギを持って紅生姜を載せると、確かに似ていますよね。餃子の数も一致します。そして何より、ラーメン単品ではなく、ご飯ものとおかずも合わせて注文している点が、京都のラーメンの食べ方として、とても王道なんですよね。
言い方を変えると「京都ではラーメンにはご飯ものとおかずがセットになる」という点を使って、ラーメンだけで京都を表現している点が素晴らしいと思いますし、ラーメン食べるときはライスが欲しい、という感覚を塩見周子が持っていたという点が、塩見周子も京都出身である、という強烈な主張になっていると思います。
■実はパンの一大消費地でもある京都
大学生の数が日本一であることは先述しましたが、京都が統計でトップに来る意外な項目が、実は「パンの消費量」です。
これもまた「京都といえば和風」というイメージに反すると思うのですが、京都の人はパンが好きです。パン屋もたくさんあります。日本で初めてパンを学びにフランスへ留学したのも京都のパン職人でした*2。ただし正確にはパン消費量トップの座は神戸市と京都市の2市で僅差で争う格好となっており、ツートップと言える状態となっています。
ところで京都市と神戸市ですが、統計をよく見ると神戸市では「食パン」が、京都市では「それ以外のパン」が多いことがわかります。実際に街のパン屋を見ても、フランスパンやデニッシュパン、惣菜パンなど多種多様なパンが全面に推されています。ひとつには京都が学生の街で、一人暮らしの学生には米食よりパン食のほうが好まれているからではないか、とも言われています。
さて、同じ「パン」という食品を巡って京都市と神戸市という2つの市の名前が出てきましたが、同じ関係にあるのが「いちご」と「佐城雪美」と「橘ありす*3」になるかと思います。雪美ちゃんも可愛らしい洋装が似合う(和装も似合う)子ですが、これもまた「和」だけじゃない京都という感じがして、小早川紗枝でテンプレートな京都を現しつつ、小早川紗枝だけをスカウトして満足しなかったシンデレラガールズえらいぞ、と思います*4。
たかがラーメン、されどラーメン。
「京都」というテーマであっても様々な切り口があることを感じさせてくれるシンデレラガールズの奥深さを実感しつつ、カードの隅々まで気を配って考えたいと思いました。
みなさまも、ぜひ、今度の休みはラーメンを食べに行って下さい。
Think Airi 011 十時愛梨のもう一つのステージ「グラビア」について
アイマスシリーズのアイドルといえば例えば歌唱力であったり、歌への思いや取り組み方であったりという面が注目されがちですが、ここでは十時愛梨にとっての「グラビア」について考えてみたいと思います。
・ グラビアクイーンとして
十時愛梨とグラビア、といえば2015年に開催された「アイドルプロデュース おいでよ!海の家」(いわゆる「海の家アイプロ」)を思い出す方もいらっしゃるでしょうか。このイベントは、前半ではアイドルが海の家を開き、後半では浜辺でグラビア撮影をする、という内容となっていました。共演したのは、大沼くるみ、及川雫、藤居朋、桐生つかさの4名。
このイベントに関しては別の稿で改めて取り上げたいと思いますが、特にこのイベントではポーズや表情に関して他のアイドルから一目置かれている点を紹介しておきたいと思います。例えば、こんな感じ。
さすが笑顔でグラビアの頂点獲っただけあるコメントだな。このあとのグラビア撮影が楽しみだわ。勉強させてもらうぞ。(桐生つかさ)
愛梨ちゃんはいろんなポーズをとってますねー。グラビアクイーンの座はさすがですー(及川雫)
愛梨ちゃん、さすがの笑顔ねぇ…さすがグラビア界のトップアイドル!(藤居朋)
・これまでの豊富な実績
これまでにモバマスとデレステで「撮影」のシチュエーションとして登場したカードは7回あります。
さまざまな場面で様々な衣装を着ていることがわかりますが、それぞれの大まかな概要は以下のとおりです。
・プリンセスバニー
ふわもこの白うさぎ衣装で少し拗ねた「甘えん坊」
・ふわふわメイド
和風メイド衣装で愛嬌たっぷりな「ご奉仕メイド」
・夏のお届け
夕日輝くビーチでビキニ姿を惜しみなく披露する「グラビアクイーン」
・ホーリーリゾートナイト
南の国からたくさんのプレゼントを持ってやってきた「ビキニサンタ」
・空のおくりもの
満点の星空の下で綺羅びやかなドレスを身にまとった「大人な愛梨」
・プライベートメイド
アドリア海の船上でも変わらず愛嬌たっぷりな「あなただけのメイド」
・はずむ花の湯
切なくも雄大な自然に囲まれながらみんなを「優しく見守る愛梨」
グラビアの撮影ということもあってか衣装の露出度は高めですが、「笑顔」以外にも様々な表情をしていること、そして直近では「かわいらしさ」から「大人な雰囲気」へとテーマが変化していることが目を引きます。
ただ、これを「十時愛梨が可愛い路線からオトナ路線に転向した」と捉えるのは早計だと思います。直近のR[あまほわギフト]で久しぶりに可愛い路線の衣装を披露していますから。
ではなぜ大人な衣装を着たり、可愛い衣装を着たりしているのかと言えば、先述した海の家アイプロのこんな発言が影響しているのかもしれません。可愛い愛梨も大人な愛梨も、色々な愛梨をファンに見てもらいたいという希望が、彼女のグラビアを豊かなものにしているのではないでしょうか。
・十時愛梨にとっての「グラビア」とは
ところで「グラビアクイーン」としての評価と過去に様々な撮影を経験したという実績があることはこれまで述べたとおりですが、十時愛梨にとってのグラビアとは何なのでしょうか。
ここで、海の家アイプロでの大沼くるみの発言を引いてみたいと思います。
愛梨しゃんが、ぐらびあはたくさんの人が見てくれて、好きになってくれるよ~ってぇ(大沼くるみ)
また、グラビアや撮影に関しての愛梨の発言も拾ってみましょう。
- 今日はせっかくの和風でメイドな愛梨だから、かわいく撮ってくれたら嬉しいですっ♪よろしくお願いしますねっ♪ところでこの衣装も、胸元がきついんですけど…あのぅ、ご主人様~!?
([ふわふわメイド]+)
- 今回は、海辺でグラビア撮影なんですねっ!えっと~、このあたりに寝転がったらいいのかな? よいしょっ……と♪えへへ、かわいく撮ってくれたら嬉しいです!マーメイド愛梨ですよ~っ♪
([夏のお届け]+)
- 『夜空に散らばる星屑を集めて…煌めきのパフュームが、貴方を彩ります』…ふふ。とてもロマンチックで、ドキドキしますっ。いつもは元気な私ですけど、今日の撮影は…オトナな愛梨をお見せします♪
([空のおくりもの]+)
ずらりと並べてみると気づきますが、「かわいく撮ってほしい」「オトナな愛梨を見せたい」など、グラビアの仕上がりを気にしている様子が伺えます。とくに顕著なのが[ホーリーリゾートナイト]の以下の発言。
- 最高のプレゼントだと思ってもらえるよう、撮ってくださいっ♪
([ホーリーリゾートナイト]+)
ビキニサンタ姿で写る愛梨のグラビアが、ファンにとってのプレゼントになってほしい、という気持ちが伝わってきます。
もう少し関連する発言を並べてみましょう。
- グラビアも好きですよ!たくさんの人に見てもらえるからっ!
([夏のお届け]+) - 撮影のお仕事も、楽しいなぁっていつも思うんですっ。なんでだか、わかりますか? 『愛梨ちゃんのグラビアで元気が出ました』ってファンレター、やっぱり嬉しいですから♪えへへ…
(海の家アイプロ パーフェクトコミュ)
つまり十時愛梨にとってのグラビアは、ライブステージと同じく、自分の姿を沢山の人に届けるためのステージのひとつだと言えるのではないでしょうか。そして、ファンからもファンレターという形で声援が届く、コールアンドレスポンスが成立していることからも、愛梨がグラビアの仕事を大切にしていることがわかるかと思います。
ところで、余談ですが十時愛梨のサインには「いつもありがとうございます」と書き添えられていることを、このブログでも数回、取り上げてきました。でも、よく考えてみると、このフレーズ込みでサインが成立しているということは、初対面の人にも「いつもありがとうございます」って書いているんですよね。きっと。
でも、例え初めて会った人であっても、十時愛梨にとっては「いつも」なんじゃないかと思います。なぜなら、十時愛梨にとってはグラビアも大切なステージだから。
直接会ったことがなくても、どこかで自分を見てくれて応援してくれる人は大事なファン、という思いも、そしてファンじゃない人にもどこかでお世話になっているだろう、という気持ちが「いつも」という三文字に込められているんじゃないかと、そう思います。
アイドルといえば、特にアイドルマスターにおいては「ステージで歌って踊る」というイメージが強いですが、歌と踊りだけがアイドルじゃないということを示している一人が十時愛梨なのではないでしょうか。特に最近はデレステを始めとするリズムゲームが注目されているため、どうしても歌唱力や歌に懸ける思いといったものが話題に上りがちですが、それ以外の魅力にも着目する人が増えることを、グラビアを愛するアイドルの担当として願うばかりです。
Memo009: 私が十時愛梨担当になるまで
そういえば愛梨担当になった経緯のお話を書いたことがなかったので、書いてみようと思います。
■デレPになった経緯
これはすごくシンプルで2015年のアニメですね。厳密に言えば二話です。
一話は見ていなかったのですが、ちょうど世間が武内くんで話題になっていたのでニコ動で一話を見てから二話を見たんです。それで登場した諸星きらりを見て、でかい!かわいい!幸せにしたい!と思ってモバマスを開始。1月24日に登録していたらしいので、一気にここまで進んだ感じですね。
一方、もう一人の担当の三村かな子は、好きな体型なのと私自身が甘党なので当然の成り行きで好きになりまして、こちらも早々に担当になっていたと思います。アニメ9話までには担当でしたね。
それから一年近く、モバマスのフリトレできらりを集めてアルバムを埋めたりとかしていました。でも、担当は二人だけだったんです。
愛梨担当になったのは、2016年8月30日。4thライブ神戸公演を目前に控えながら、台風の接近で天気は大荒れだった、そんな日でした。
■かな子が引けない
愛梨担当になった直接のきっかけはデレステのハロウィン限定ガシャなのですが、狙いは三村かな子だったんですよね。
といっても2015年の初登場時点ではそんなにガシャを回しませんでしたた。ところが途中で撤退したのが悔しくなってきて、2016年にはとにかく回しまくりました。
ですが、これが出ない。
当時はスカウトも出来なかったので青天井でした。何連回したか数えられなくなったので課金額しかわかりませんが、ここまでで33万円掛かってます。それだけならただの笑い話(?)で済むんですが、よりによって、限定愛梨を早々に、2回も引いちゃったんですね。まず考えたのが、限定SSR2枚も引いてしまったからには、愛梨と元からの愛梨Pさんのことを考えたら、無駄にしちゃいけない!ということ。それに、愛梨に引かされたというか、向こうからやってきたというか、そういう印象も受けました。なにより、後ろ髪を引かれる、と言いますか、十時愛梨ってスルーできない何かを感じたんですよね。
というわけで「諸星きらり・三村かな子担当、十時愛梨担当兼務」を名乗ることになりました。
■担当になる前後での変化
担当になる前はアニメとモバマスのイベントで2回出会っているんですが、とくに印象はなくて、テンプレ通りに「暑がり」「天然」の2つしか知りませんでした。ゲーム内で内面に触れる機会がなかったのと、まだ当時はダイマって盛んではなかった(もしくは見ていなかっただけかもしれませんが)ので、知るルートがなかったんですよね。
あと知っていたのは、先日の記事でも触れましたが、原田ひとみさんが色々と考えた上でアップルパイ・プリンセスに挑んでいたという話でしょうか。でも、これもあまり実感として理解は出来ていませんでした。
さて、担当になってからですが、とりあえずデレステで「十時愛梨担当」の称号を得つつ(12日くらいで取ったらしい)、モバマスで順次フリトレでのカード入手を進めていきました。
ただ、過去のカードを見返しても、十時愛梨って良くわからなかったんですよね。それでニコニコ大百科とかPixiv百科も見てみるけど「血のバレンタイン」とかしか書いてなくて、十時愛梨本人のことが全然書いてない…(これは今も充分には改善できていないので、近々着手したいと思っています)
なので、何かよくわからないふわっとしたもので十時愛梨に強力に心を掴まれながら、一年近くを過ごすことになります。
■「兼務」を外す
さきほど「諸星きらり・三村かな子担当、十時愛梨担当兼務」という肩書だったとお話しましたが、「兼務」と付けたのは色々思うところがあったんですよね。「十時愛梨よくわからないなぁ…」という不安とか「初代シンデレラガールだし、そのころからのPさんもいるから、新参の自分が担当を名乗っていいものか」みたいな躊躇とか。ただ、好きなことは間違いなくて「副担当」ではない、という微妙な状況でした。
契機になったのは5thツアーSSA Day1。諸星きらり、三村かな子、十時愛梨の3人が揃い踏みする個人的に最高の出演メンバーを見て、中途半端な状態でSSAに行っちゃだめだ、と思い、「兼務」の文字を外しました。
3人の担当と迎えたパレードのフィナーレ(といってもDay2が残っていたんですが)、3本のペンライトを掲げながら見上げたSSAの天井は、照明以上に眩しくきらきら輝いて見えました。
■考察を始める
という調子で正式に十時愛梨担当を名乗るようになりましたが、第7回総選挙は特に愛梨に関しては何もしませんでした。「7回はウサミンで決まったような雰囲気だし、わざわざ自分入れなくていいかな」という感じで、三村かな子と共演している今井加奈ちゃんと、たまたまSSRを引いてたし愛梨と同郷の喜多日菜子ちゃんを応援していました。
ただ、やってみて気づいたんですが、投票のお願いをしようとしても、理解が不十分だと何も書けないんですよね。もう一つが、度々話題にしていますが、私は日菜子Pの人たちと南条Pの人たちには感銘を受けまして、見たい景色を見るためには手を動かさなければいけない、ということも実感しました。
さて、総選挙が終わり、十時愛梨が2回連続で圏外という結果となりました。
ただ、足元の状況を見ても、十時愛梨に関してTwitterで情報発信しているPさんがあまりいない、ニコニコ大百科は2年前から更新が止まっていた、といった感じで、足元がおぼつかない印象を受けました。
何か手を動かしたい。でも、担当への理解がないと何も作れない。だから考察を始めたのです。
■これからの私
これから、というよりも、今年やりたいこと、ですが、考察はもっと書きたいのと同時に、資料の整理もしたいですね。今は全体的に担当Wikiを整備するのが流行りですが、どういうやり方が一番ぴったりなのか、情報の整理方法と発信方法も考えていきたいと思っています。
もう一つは、かつての自分のように「愛梨がよくわからない」「新参だから自信がない」という人に対して、踏み出す勇気を与えられるブログでありたいと考えています。
かなりイレギュラーな経緯で十時愛梨担当になった私。そのイレギュラーさを活かして「普通じゃない」プロデュースが出来れば、と思います。
Memo008: Trust meから見える2つの想い
唐突ですが私は「Trust me」が好きです。
ただ、残念ながら十時愛梨は歌っていないので、このブログでは触れないつもりでした。それでは何故書こうかと思ったかといえば、tokeiさんのこの記事を読んだから。
なので、私はこの記事への自分なりの返しを書きたいと思います。
返しであるのでtokeiさんの記事に目を通して頂いた前提で話を進めたいと思いますが、大まかな論点は、
- アイドルからプロデューサーへの「Trust me」とアイドル自身の「Trust me」が含まれている
- 一番を目指す泥臭さが曲調に反映されている
- 一番を目指すアイドルの姿が描かれているが「なぜ一番を目指すのか」という点は各アイドルと担当Pに委ねられている
本当に大雑把ですが、こんな感じだと整理して、話を進めたいと思います。
■そもそも「Trust」とは
「Trust」は「信じる」という意味。ですが、日本語で「信じる」と訳す英単語には「Believe」というのもありますよね。使い分けとしてはTrustは「(人を)信頼する」、believeは「(話した内容を)信じる」というニュアンスになります。*1
つまり「Trust me」は才能や実力、個性、人となり全て含めて信頼してくれ、という意味になります。
そもそもシンデレラガールズはボイス無しテキストベースで出発したコンテンツで、カード1枚からの情報量も限られていましたよね。そんな中で一人の女の子の可能性に懸けて、一日のうちの貴重な時間を使って、人によっては大量の課金をしているわけで、まさに「Trust」が根底にあるわけです。
そしてこの曲は総選挙曲ですが、今回はデレステで投票初日に投票券500枚分が約15万円で売られましたよね。500票を即決した人なんて、まさにアイドルへの「Trust」がなければそんな決断は出来なかったと思います。
ちなみに私は第7回は今井加奈ちゃんと喜多日菜子ちゃんの支援に回っていましたが、開幕500票を入れたのも、ひとえに今井加奈ちゃんへのTrustと、そこからユニットを組む三村かな子やビビッドカラーエイジの飛躍を信じてやまないからです。
わたしもやるよ!今井加奈ちゃんに500票!!! pic.twitter.com/uzQMbPwjnP
— ながさわ (@nagasawa_p) April 10, 2018
もう1点、これは日菜子Pさんの動向を見ていて気づいた点ですが、Twitterで「ダイマください」というツイートに対して日菜子Pさんたちは真摯に喜多日菜子ちゃんを推して、それに心動かされた人が投票する場面も多々ありました。これもPからPへの「Trust」なんですよね。あなたがそんなに熱心に推す子だったら、私も信じてみよう、という。
乱暴にまとめると、総選挙の根底にあるものは「Trust」なんです。
■「挽回の準備はいいか?」
この曲の歌詞を眺めた時に一番浮いて見えた歌詞の話をします。
挽回の準備はいいか?
「挽回」というからには、何かに対して遅れを取っている状況があるはずです。でも、この曲って「総選挙での各属性上位3名から成る選抜メンバー」が歌っているわけですよ。それにこのパートを歌っているのは2位の本田未央。ほか181人より上にランクインしている人が、総選挙順位を指して「挽回」って歌ってるとしたら全方位に喧嘩を売ってる格好になっちゃうじゃないですか。
でも冒頭で「闘うことは恐れない」ってわざわざ言っている。いや、言っているということはですね、あくまでトップを目指すために闘うことを辞さない、というだけで、片っ端から辺り構わずバトルを挑んでくるような好戦家ではない、ということの裏返しだと思うんですよね。だから、きっと本田未央は181人に喧嘩を売っているわけではないはず。じゃあ、この「挽回」って何だ、というのがまず気になったんです。何に対して遅れを取っているのか、と。
ここで「挽回の準備はいいか?」の続き、「自分自身の限界突破」に注目します。
これ、どこかにありましたよね。
「ラインは自分で引かない やるなら目指せよ 「最前線」」
これと対になっていることに気づきます。
とすると「妥協点に交差する点線 その一つ一つが怠惰を斡旋」に対応するものがあるはずです。これが「後悔することは無いか? 挽回の準備はいいか?」なんじゃないでしょうか。
つまり、このラップパートは妥協から生じる諦めを乗り越えるために、自分自身を奮い立たせよう(「発火」)、という趣旨で、遅れを取っていた相手は「妥協をしなかったときの自分がいたであろう立ち位置」、挽回すべきは「これまで妥協や怯みから出来なかったこと」と解釈することが出来るんじゃないでしょうか。
総選挙曲、という立ち位置にある特殊な曲なのでどうしても「うちの子」と「他の子」の対外的な闘い、と考えてしまうところですが、アイドルが自分自身の限界に挑む自分との闘いという面が織り込まれているんじゃないかな、と思います。
■「今は」Trust me
この曲のテーマは「Trust me」
サビの終わりも「Trust me, and follow me」
でもよく見たら「今は」なんですよね。これはどういうことなのかといえば、follow meじゃない時がある、ということです。アイドルとしてデビューするにはプロデューサーが先に立ってアイドルを導いていましたよね。手間の掛かり方に多少の差はあれど、少なくともスカウトなりオーディションで彼女たちを見つけてあげる、という点がありましたよね。そんな導かれる一方だった時期との対比で、「今は Trust me, and follow me」なんだ、と。
でも「今は」って、もう一つのニュアンスを含みますよね。一時的に、とか、現時点では、とか、将来に対する不確定さを含んでいます。「今や」とか「これからは」という単語と比べるとわかりやすいでしょうか。
つまり何を言いたいかと言えば、この歌詞は「今この瞬間は Trust me, and follow me」、と捉えることも出来るんじゃないかと思うんです。アイドルが育ったからプロデューサーは何もしなくて良くなったんだよ!ということではなくて、プロデューサーの助けも必要なときもあるけれど、高みを目指そうとしている今この瞬間は、私を信じて見ていて!という気持ちなんじゃないでしょうか。
例えば、どんなに技量が心許ない新人アイドルだったとしても、ステージにPが出ていく訳にはいかないじゃないですか。ステージ袖か客席から、固唾をのんで見守るしか出来ない。それって「Trust」ですよね。でも、ステージから降りてきたら、またPがリードしてアイドルを育てていく。そうやって、アイドルとPが互いに成長させていくんだよ、ということが言外に含まれているように思えました。だって、最後に行ってるじゃないですか。「この歌声が響く限り 一緒に歩いていこう」って。
■「I am going to aim higher」
もう1点だけ歌詞で触れておきたいのがこの箇所です。
さらっと聞き流していたフレーズですがサビの冒頭は「going to higher」じゃなくて「going to aim higher」なんですよね。
また英語のおさらいですが「be going to 動詞」で「~をします/することにしています」という意味ですよね。「高いところに行くぞ」ではなく、「より高みを目指すぞ」と訳すべきなんでしょう。
そして「higher」は比較級で、今までよりも高いところ、という意味です。何に比べて高いか、というと「妥協していた目標」なんじゃないでしょうか。「やるなら目指せよ 「最前線」」って、ありますからね。
■まとめ
私は、この歌のポイントは「高みを目指すぞというアイドルの決意」と「高みを目指す私を信じて欲しいというP(もしくはファン)への思い」の2点だと思います。言い方を変えれば、「私を信じて欲しい」という気持ちと「信じられるに値する私でありたい」という2つの気持ちが込められていると考えます。
だからこそ、歌詞でPからアイドルへ向かう「Trust」が、そしてデレステのコミュではアイドルの自分自身への「Trust」が描かれているのだと思います。泥臭さが描かれているのも、信じられるに値する自分になるために限界に挑戦しないといけないからじゃないでしょうか。
異色だと言われる「Trust me」ですが、扱っているテーマはむしろシンデレラガールズらしい曲だと思います。
■余談1:「Absolute NIne」との比較
ところでトップアイドルを目指すぞ、という面が強調されている曲といえば、第4回総選挙曲である「Absolute NIne」があります。サビの歌詞に「勝ち取るの この歌で 絶対」とありますが、センターに立つ塩見周子をはじめ、一ノ瀬志希、相葉夕美、向井拓海の4人が、この総選挙でまさにボイス実装を勝ち取った点が、メタ的にも印象的な一曲です。
ところが「Absolute NIne」と「Trust me」の歌詞を見比べてみると、「Absolute NIne」では「高みを目指すぞというアイドルの決意」に軸が寄っていたことがわかります。「Trust me」で「私を信じて欲しい」というメッセージを発するに至った経緯は何か。それはやはり総選挙だから、なのかな、と思います。
例えば歌がうまくなるとか技術的な面は、極端な話、アイドルが頑張って練習すれば一人で出来るかもしれない。もしくは、もう上手ければ、Pが介入する余地が無いかもしれない。でも、総選挙ってアイドル本人が500票を入れる訳にはいかないし、票を入れてもらわないといけませんよね。アイドル本人の成長も大切だけど、そのアイドルの素晴らしさが、誰かに伝わらないと票にはならない。
1人で重課金すれば済む時代でもなければ、ガチャブで決まる時代でも無くなってきたからこそ、第7回総選挙曲としては「Trust me」というフレーズがキーワードになるんじゃないか、と感じています。
■余談2:十時愛梨の話
十時愛梨の話をします。
十時愛梨がトップを目指す理由、覚えていますか?
そう、「Pをトッププロデューサーにするため」です。
泥臭い努力といったところを感じさせない子なので「Trust me」の荒々しいサウンドとは離れた位置にいる印象がありますが、初期レアの時点で十時愛梨は既に「Trust me, and follow me」だったんじゃないでしょうか。
愛梨からPへの信頼は厚く、愛梨自身の実力というのも相当なものがあると、私は考えています。じゃあ、今何をすべきかといえば、Pが愛梨について行ってあげることなのかな、と思います。すごいアイドルである愛梨に相応しいステージを見つけてあげること、すごいアイドルである愛梨をもっと多くの人に知ってもらうこと、そういったことが必要なのかな、と。
ちなみに、愛梨が投げかけてくれたメッセージをきちんと受け取れているのだろうか、愛梨の素晴らしさを人に伝えられているだろうか、という自問自答は、この「think Airi project」というブログを作ったきっかけでもあります。これもひとつの「Trust」の形じゃないかな、と思っています。
そして、ちゃんと歌わせてあげたいと思っています。まだ歌えていない総選挙曲を、愛梨に。
※2019/1/5 タイトルのナンバリングを修正
Think Airi 010 アップルパイ・プリンセスの歌詞を見直す
十時愛梨のソロ曲「アップルパイ・プリンセス」について考えてみたいと思います。同時に、その後の発言への繋がりなどについても見てみましょう。
■「アップルパイ・プリンセス」とは
「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 013」として2013年1月23日にリリースされた楽曲で、デレステにはストーリーコミュ20話とともに実装されています。ちなみに当時のコロムビアの視聴ページはこちら。*1
アイドルマスター|THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 011〜015
リリースされた時点のことを振り返ると、第1回シンデレラガール総選挙が2012年7月下旬、1stアニバが11月で、その直後という時系列になります。
またこの曲は作詞作曲、歌唱の両面について関係者から語られている点も特筆されます。
作詞作曲に関しては、大久保博氏が2013年夏に開催された「CEDEC2013」にて解説を行っており、記事化されています。記事中に写っているスライドには「萌え」「色気」「かわいらしさ」「趣味のケーキ作り」「豊満なボディ」「無自覚なお色気」「乙女イメージ」「お嬢様・プリンセス」「天然ドジっ娘」「アップなポップス」「「突き抜け感」などの文字が並んでいます。文字化されるとなるほど、と思うところがあるんじゃないでしょうか*2。
歌唱に関しては「アップルパイ・プリンセス」時点での愛梨に合わせて歌唱されていることを、CV担当の原田ひとみさんが度々言及しています*3。
前も書いたけど愛梨の歌はアップルパイ→ピュアスノー&おねシン→絶対特権→ゴーイン&今回の曲と進化させてます。初代シンデレラですから初レコーディングは歌の拙さがあるとはいえ表現力は原石として最初からあり、場数が増え、ポテンシャルを元々持ってた子がうまくなってきてる、という私の拘り。
— 原田ひとみ@12/30年末ダチャーン祭 (@vhitomin) January 31, 2017
ちなみに原田さんが原田さんとして歌った時の歌い方はこんな感じ。参考まで。
そして考察と言えば先行研究を挙げるのがお作法ですが、ぶっちゃけ、殆どないのが実情です。検索ですぐ引っかかるレベルでは歌唱面に着眼したこちらが唯一の事例でしょうか。
アップルパイ・プリンセス (十時愛梨)のお話。:紫の人が片隅で独り言。まぁ、なんでもいいですけれど。 - ブロマガ
というわけで今回は「アップルパイ・プリンセス」の歌詞を中心にThinkしたいと思います。
■歌詞の大まかな流れについて
2番の歌詞こそよく見て欲しい
「休日、10時に起きたら今日はいい天気。君に会いたいからアップルパイを焼いちゃおう」というのがアウトラインですよね*4。ところでこの曲、デレステでは尺を縮めるために2番がカットされていますが、その間の描写を見てみましょう。
・「オーブン余熱」
・「よろしくタイマー」
・「急に携帯が鳴り王子の声」
・「揺れる思い押さえきれなくて走る」
・「パッとTea Bag買って」
・「十字路の前で馬車にのってあの街へ」
・「タイマーが鳴って冷や汗」
・「お昼の鐘 鳴り響く」
・「十時にでも解けない魔法」
ちなみに、一般的なアップルパイのレシピを見てみると*5*6オーブン余熱後に焼く時間は20分から40分程度。多く見ても1時間以内だということがわかります。2番の歌詞は1時間以内に起きた出来事だということを、まず念頭に置いておきましょう。
さて、タイマーをセットしてアップルパイを焼き始めたわけですが、王子から携帯に連絡が入ります。それで待ちきれない訳ですが「揺れる思い押さえきれなくて」街へと出かけるんですよね。何をしたかと言えばティーバッグを買って「あの街」へ出掛けちゃう、と。でもその道中でタイマーが鳴って…帰ってきたら少し焦げてる、というお話です。好きな人が来てくれるから…というところでバタバタしてしまう点が、とてもキュートでポップな歌詞ですよね。
ところで「あの街」ってどこ?
明確には示されていませんが「王子が住む街」と捉えてみると筋が通るんじゃないかな、と思います*7。なんといっても、会いたいからという理由でアップルパイを焼いちゃうくらい積極的な子ですから。それと「馬車に乗って」とありますが、馬車に乗るプリンセスと言えばやっぱりシンデレラ。シンデレラが馬車に乗って会いに行くのは、王子様ですよね。
それに、アップルパイを焼いている時間は先述の通り1時間も掛かりませんから、外出して出来ることと言えばそんなに無いはずなんですよね。王子に食べてもらうアップルパイは焼いているし、一緒に飲む紅茶は「パッとTea Bag買って」いる。これ以上必要なものといえば、王子様本人しかいない。そう、アップルパイのプリンセスは、オーブンによろしくタイマーしている間に、王子様を迎えに行っちゃったんじゃないでしょうか。とすると、タイマーの残り時間で家で待つか、自分から迎えに行っちゃうか「揺れる思い」になるのも説明できます。ただ、これは全くの推測なので、他の解釈があれば是非教えてください。
朝に飲んでたミルクティーはどうした?
さて、2番の歌詞を聴くとひとつ疑問が浮かぶと思います。
「休日 濃いめのミルクティー」を飲んでいたのに、「パッとTea Bag買って」いる。
朝のミルクティーはどうした?ってなりますよね。
切らしてしまった、と取ってうっかりさんだなぁ、というのもアリなのですが、もし切らしたわけでもなく買っていたとしたら?自分で飲んでいた紅茶とは別に、これから来る王子のために新品を用意してるってことになりますよね。しかも、パッと買ってるから迷いなく。好きなものを把握しているか、それとも「これが好きそう!」「これを一緒に飲みたい!」っていうイメージがくっきりしている、ってことなのかな、それだけ王子様のことが好きで仕方ないんだな、って思います。
うっかりさんだとしても、王子のことが好きすぎるにしても、いずれにしても可愛いですよね。
十二時でも解けない魔法
そしてこの曲でも印象的なフレーズ「十二時でも解けない魔法」がやってきます。
2番の歌詞に目を通すと気づく点ですが、この十二時、お昼の鐘が鳴り響いたタイミングを指してるんです。つまり昼の12時です。で、乗っているのは馬車(じゃないと思うけど実際には。)ですよね。シンデレラだと馬車に乗っている間に鐘が鳴って魔法が解けちゃう。でも、アップルパイ・プリンセスは「十二時でも解けない魔法」なんです。
なぜか。それは続きの歌詞が答えになります。
「君となら そう 私はプリンセス」
私はプリンセス、じゃなくって、「君となら そう」私はプリンセス。
アップルパイ・プリンセス、もっと言うなら十時愛梨がプリンセスでいられるのは、「君」がいるから、なんですよね。この「君」ですが、十時愛梨にとっては「ファン」とも言い換えられるでしょうし、「プロデューサー」とも言い換えられるでしょう。なぜなら、彼女を突き動かすパッションは、受け取った愛への感謝なのですから。
Pがいる限り、ファンがいる限り十時愛梨はアイドルであり続ける、っていうことだと、私は信じています。
ただ、十時愛梨って器用ではないんですよね。不器用というわけではないけど、ドジはするし、何かをそつなくこなすというタイプではない。愛情たっぷりだけど、ちょっと失敗しちゃってたりもする。それがワンフレーズに収まっているわけですよ。
「少し焦げた マイハート」
このフレーズも、 わたしは、とても愛おしく思います。
■2つの大きなキーワード
さて、2番を中心に語ってきましたが、2番を挟んだところにも注目すべきフレーズがあります。
「君の笑顔 見たいんだもん」
「いつでも一緒が いいんだもん」
この2つもまた、十時愛梨を象徴するフレーズだと思います。
君の笑顔 見たいんだもん
「君の笑顔 見たいんだもん」の直前の歌詞は「会いたいから焼いちゃおうアップルパイ」でしたよね。この笑顔は、アップルパイを振る舞った王子様の反応であったり、プリンセスと一緒にアップルパイを食べる王子様の笑顔なんですよね。単に王子様に会いたい、というだけでなく、私からの愛を受け取って欲しい、私と語らって笑顔になってほしい、という意味も含んでいるわけです。
なので、この歌詞は十時愛梨の優しさであったり、世話焼きなところであったり、ケーキを作ってくれるところであったり、そういったところに繋がっています。デレステでいえば[プライベート・メイド]がわかりやすいところでしょうか。以前にまとめていますので、そちらを見比べて頂けると幸いです。
Think Airi 006 フェス限SSR プライベート・メイドを推してみる - think Airi project
いつでも一緒が いいんだもん
一方、十時愛梨といえば世話焼きなだけでなく「甘えてくる」子であることも忘れてはいけません。その代表がモバマスの[プリンセス・バニー]じゃないでしょうか。なにせ、そのままそっくり引用してましたし。
2017年の誕生日演出はこんな感じ。ものすごい「一緒」押し。
あと、甘えん坊とは少し違いますが、振り返ってみるとデレステの絶対特権コミュも仲間と「一緒に」でしたよね。十時愛梨の中で「一緒」という言葉が、色々な方向に向けてキーワードになっていることが感じられるのではないでしょうか。
愛梨にとっては仲間もファンもPも「好き」な人で、その度合や方向性が少しずつ違うだけ。そして、みんな大好きで、みんなと一緒にいたい。だから、仲間には対等に励まし合っていきたいし、ファンには感謝の気持ちで色々とパフォーマンスをしてあげたいし、Pには甘えてみたい、ということなのかなぁ、と思います。
この話は、いずれ稿を改めて。
■目指せ!シンデレラNo.1のこと
ところでCinderella Masterシリーズといえばソロ曲の次に「目指せ!シンデレラNo.1」というボイスドラマが収録されるのが定番となっています。内容はラジオ番組に出演したアイドルが自己紹介をしたりテーマトークをしたりするもの。
あらすじはこんな感じ。
・「「ばばばばーん」って鳴ったらオープニングトークを始めるんだよね」
※既に始まっている ※かわいい
・「私の出番っ?!」※この時期の定番
・大学の最寄り駅(≒自分の家の最寄り駅)を言い掛けて止められる
・アイドルのオーディションは友達が勝手に応募したことが判明する
・暑いから上着を脱ぐ
・休みだったので帰省してお父さんの誕生日をお祝いしていた
・お父さんに誕生日ケーキを作ってあげた
・お母さんにブラジャーを買ってもらった話を言い掛けて止められる
・すっごい大きいケーキを作りたいっていう夢を語る
・「私のウエディングケーキ作るね!」って言ってお父さんを泣かせる
・両親が仲が良くって憧れている
・素敵な家庭が夢で家族に愛情たっぷりのケーキを作ってあげたい
・暑くなってまた脱ぐ
・アドリブ演技に挑戦1「激痛マッサージのリアクション」
・アドリブ演技に挑戦2「好きな人に愛のプレゼントを一言添えて」
・エンディングでまた脱ごうとしてワンピースであることに気づく
・シンデレラワード「メロンパン」
ここで3点、大切な要素が出てきます。
まずひとつ目は「アイドルのオーディションに友達が勝手に応募したこと」。
これ、初期レアでは描かれていなかった要素で、このボイスドラマが初出です。デレステでもまったく同じ描写がされているので、そちらで知った方も多いでしょうか。
2つめは「家族の誕生日にケーキを作っていること」。
今月(2018年12月)にデレステに追加された「十時愛梨のウワサ2」では両親の結婚記念日にケーキを作っていることが明かされていますが、誕生日だけじゃなかったのか、と思った方もいるんじゃないでしょうか。
3つめは両親が憧れの家族である点。[カップオブラブ]で理想の家族を語るシーンがありましたが、それも生まれ育った十時家の影響だったんですね。
■ジャケ写の謎 ~なぜアップルパイじゃない?~
ところで「アップルパイ・プリンセス」のジャケ写を思い出してみてください。
実は愛梨が手に持っているのはいちごのケーキなんです。
デザイン的に考えると、全体を淡い色でまとめるためにはアップルパイの茶色が重すぎるので、配色的にケーキだったんじゃないか、と思いますよね。もしくは、愛梨の趣味が「ケーキ作り」だから? など、色々と推測出来る部分ではあります。
が。
実は[CDデビュー]で言及していたんです。
なんと、愛梨特製ケーキ。自作だったんですよ、これ。
「アップルパイ・プリンセス」だって言っているのになぜケーキ?
そう思いますよね。また愛梨のうっかりなのか?と思いますよね。
いや、それがですね、親愛度をMAXにしてみると…
そう、チョコプレートの「LOVE」の文字は、Pへ向けたメッセージだったのです。
でも、アップルパイだったらチョコプレートってありませんよね。
ひょっとしてまさか、「LOVE」を伝えるためにアップルパイじゃなくてわざとケーキを作ってきたんじゃないでしょうか。「アップルパイ・プリンセス」なのに。
でも愛梨ならありうるんです。だって「感謝」と「愛」が彼女の原動力なんですから。それに「会いたいから焼いちゃおうアップルパイ」なんだから、LOVEを伝えるためだけにケーキを作るのだって、ありだと思いませんか。
■その後の展開とその他の小ネタ
・デレステのMVの振り付け
実は初期レアのポーズが取り入れられています。
・[プライベート・メイド]のリボン
背中のリボンの裾には「pie princess」の文字が。
・2017年のホワイトデー
「各アイドルに合うお菓子をプレゼントしましょう!」というちひろさんの無茶振りによって、「調理法」「味」「見た目」を組み合わせてアイドルにプレゼントを作る、という企画がありました。
で、十時愛梨は当然のごとく「アップルパイ」
「思い出いっぱい」というところが、また担当には嬉しいところですよね。
・13番に縁のあるアイドル?
「アップルパイ・プリンセス」が2013年1月23日発売の「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 013」であることは冒頭で述べたとおりですが、その後、ユニットに参加した楽曲の「Sweet Witches' Night ~6人目はだぁれ~」は2017年9月13日発売の「STARLIGHT MASTER 13」。
とくに13が何か推されているわけではないので、偶然の一致と思いますが、「十二時でも解けない魔法」と歌っていたアイドルが「13」に縁があるのも面白いところです。
■おわりに
様々な切り口で「アップルパイ・プリンセス」について掘り下げてみました。
CINDERELLA MASTERシリーズが各アイドルにとってそれぞれ大切な曲であることは確かですが、「アップルパイ・プリンセス」と十時愛梨は、 単に「初ソロ曲」や「持ち歌」というレベルを超えた密接な関係にあるんじゃないでしょうか。
ぜひまた一度、聴き返してみて頂けると(そしてお持ちでない方はぜひこの機会にご購入頂けると)幸いです。
▼他の楽曲についてはこちら▼
楽曲解説 カテゴリーの記事一覧 - think Airi project
*1:YoutubeじゃなくてWindows MediaとRealAudioでの再生なのが時代を感じる
*2:このあたりの話はニコニコ大百科に似たようなことが書かれているが、追記したのは実は私である
*3:このあたりの話もニコニコ大百科に似たようなことが書かれているが、追記したのは実は私である、がマウントを取りたいわけでなく、誰か気づいた方は都度十時愛梨関係の記載を充実させて頂けると幸いである
*4:ちなみにこれ、「Kawaii make MY day!」と真逆にあるとも言える。「会いたい→アップルパイ焼く→おしゃれしたら暑い」⇔「自信を持ちたい→かわいくなる→オシャレをしたから会いたいな」
*6:アップルパイのレシピ・作り方|りんごやA水を使った料理|味の素パークの【レシピ大百科】
*7:Tea Bagを買いに行くことを出掛けた主目的と捉えて、自分の家に帰るのを「あの街」と呼んでいる、という解もなくはない。