【デレステ】十時愛梨の変わらない「ハート」~エレガンス・プラス 恒常SSR②を見つめる~
十時愛梨の4つめのSSR[エレガンス・プラス]についてお話します。2017年夏に登場した[プライベート・メイド]以来、約1年半ぶりの登場となった今回も、十時愛梨の様々な魅力が詰め込まれています。
Intro:普段と違う十時愛梨?
十時愛梨といえば、ツインテールがトレードマーク。ところが今回の愛梨は、そのツインテールを解除しています。大人っぽい衣装の雰囲気もあって、世間一般の「十時愛梨」のイメージとは違った、新鮮な印象を受けた方もいるのではないでしょうか。
ところで十時愛梨にはすでに恒常SSRとしては[カップオブラブ]があります。以前書いたブログの中で、私は[カップオブラブ]を「スタンダードな十時愛梨」である、とご紹介しました。その理由として「過去の様々な衣装の影響を受けている点」「『アップルパイ・プリンセス』を踏まえて【プリンセス】がキーワードとなっている点」「意味深な発言や愛され上手な点」などを挙げました。
実際に[カップオブラブ]と[エレガンス・プラス]を見比べてみれば、その雰囲気の違いは一目瞭然といったところでしょうか。
過去からの文脈を踏まえながら、パブリックイメージにも沿ったスタンダードな[カップオブラブ]。それに対して[エレガンス・プラス]はイレギュラーな位置にあり、対になる恒常SSRなのだ。2枚めの恒常だから新しい挑戦を題材にし、変化をつけたのである。 …と説明してしまえば簡単ですが、実際のところは単純ではありません。
その代表例が「ハート型のネックレス」。「ツインテール」に並ぶ十時愛梨のもう一つのシンボルで、初期レアのころから付けているキーアイテムです。これが今回の特訓後にも登場しており、さらには3Dモデルの胸元にも光ります。
変わった髪型と変わらないネックレス。これが何を意味するのか。
順を追って見ていきましょう。
- Intro:普段と違う十時愛梨?
- 1-1:ツインテール解除、再び
- 1-2:「ファッションモデル」と十時愛梨
- 1-3:ところで。
- 1-4:オトナな十時愛梨
- 1-5:悩める十時愛梨
- 2-1:いつものオープンハート
- 2-2:実は「いつも」じゃないオープンハート
- 2-3:「いつも」の十時愛梨
- 3-1:十時愛梨と「お勉強」
- 3-2:新しい挑戦を「プロデューサーと」
- まとめ:エレガンス「プラス」であること
1-1:ツインテール解除、再び
今回のSSR直前までの十時愛梨の登場回数は43回(ビーチガールSをビーチガールに含めた場合)。そのうちツインテールは41回であり、圧倒的にツインテールであったことがわかります。
過去にツインテールでなかったのは[はずむ花の湯]で髪を束ねていたとき。
そしてもう一回が2016年の年末に登場した[ホーリーリゾートナイト]の特訓前です。
小見出しに書いたとおり、十時愛梨がツインテールを解除したのは今回のSSRが初めて、ではありません。[ホーリーリゾートナイト]で初めて、髪を下ろして我々の前に姿を見せてくれていました。
なので、今回の装いを新鮮に感じた人もいる一方で、懐かしさを感じた人もいるのではないでしょうか。私も、ガシャ更新された際に、その可愛さに驚かされたことを今でも覚えていますが、その思い出深い姿を今回も披露してくれたことが、懐かしいとともに嬉しくも思います。
なお、「我々の」と書いたのは理由があります。実は[ホーリーリゾートナイト]の特訓前は愛梨が「寒くないクリスマスがいい」と言い出して、Pが南半球のリゾートに連れて行ってあげた、というシーンです。つまり、お仕事の絡まない完全なプライベート。なので、[ホーリーリゾートナイト]の髪を下ろした愛梨の姿はPしか知らない姿だったわけです。
それが今回はファッションモデルのお仕事として、ツインテールを解除した姿が多くの人の目に触れることになりました。我々しか知らなかった十時愛梨の一つの魅力が広まっていくこと、実際に、愛梨を担当していない方やデレステ中心の方から反響があった点は、いち担当Pとして嬉しく思っています。
1-2:「ファッションモデル」と十時愛梨
十時愛梨といえばグラビア、であることは以前ご紹介しましたが、今回の仕事はすこし勝手が違ったようです。
雑誌モデルのお仕事って、グラビアと全然違うんですね。
勉強しなきゃ~
何がどう違ったのか明言されていませんし、私もファッションモデルはやったことが無いので推測になりますが、確かにグラビアとファッションモデルではいくつか違いがあります。
グラビアで見てもらうべきなのは「写っている人そのもの」です。被写体になる人の可愛らしさやセクシーさを引き出すために、衣装やシーンが選ばれますし、写る側も可愛らしいポーズやセクシーなポーズをとるわけです。一方のファッションモデルは当然、ファッションが主軸です。
もう少し踏み込んで言えば、ファッション雑誌には各雑誌ごとにメインのターゲットや得意なジャンルがありますよね。「10代女子高生向けのかわいいファッション」とか「20代後半の働くオトナな女性のオシャレ」とか、テーマやコンセプトが存在します。それぞれの雑誌をどういう人が買うのか考えてみると、例えば「20代後半の働くオトナな女性のオシャレ」を扱う雑誌を買う人は、主に20代後半の働く女性だろうと思います。そして読みながら何を考えているのかといえば、「このコーデならかっこよく見えそう」「この服を着て仕事に行ってみたい」といったあたりじゃないでしょうか。
言い方を変えると、その雑誌がオススメするコーデを着たモデルさんが、仕事できそうな感じで写っていたり、楽しそうに通勤している様子で写っているから、自分も雑誌と同じファッションをやってみよう、となるわけですよね。疲れてしょんぼりしている場面とか、大雪で大変そうな出社シーンとかが載っていても、真似をしようとは思わないのではないでしょうか。つまり、雑誌に載っているファッションを自分が真似したときにどうなるか、というイメージが持ちにくい写真は、ファッション雑誌に向いていないわけです。*1
とすると、グラビアのお仕事では「十時愛梨そのものを余すことなく伝える」ことに軸が置かれていましたが、今回のファッションモデルの仕事は、おしとやかな女子大生を演じる、一種のお芝居の仕事だとも言えます。
このことは「シンデレラガールズ劇場わいど」の以下のシーン、「ちゃんとコーデの雰囲気出てる」というところにも繋がります。愛梨の関心が単に「夕美ちゃんがしっとりした表情をしていること」 ではなく、「コーデに応じた表情やポーズを夕美ちゃんがとっていて、雰囲気が出ている」点に向かっている点がポイント。発想の起点はコーデにあって、そこから被写体としての写り方を考えていることがわかります。
ところで。実は十時愛梨がファッションモデルをするのは、初めてではありません。2018年2月23日から開催された「第17回ぷちデレラコレクション」に登場し、ランウェイを歩いています。
といっても第1ステージ終了時に「メイクやコーデに負けないように、可愛くパフォーマンス」と言ったりしています。コーデと主張をぶつけ合っていた前回に比べ、今回の撮影はコーデに沿った雰囲気作りに重きが置かれており、だいぶ心構えが違っていたことがわかります。
1-3:ところで。
少し話題を戻しますが、お仕事として新境地を拓くためにツインテールを解いた、というのは、すごく分かりやすい話だと思います。先述したとおり、ファッションモデルで大切なことは、服やコーディネートの良さを伝えること。そのためであれば、ツインテールでない姿を披露するという選択も出てくるでしょうし、商業的にも「十時愛梨がツインテールを解いたレアな姿!」といえば雑誌も話題になるでしょう。そこから新たに十時愛梨に出会う人がいれば嬉しいことです。
と、書き連ねて気づいた人もいるかも知れませんが、[エレガンス・プラス]でツインテールを解いた成り行きが自然すぎて、却って[ホーリーリゾートナイト]で、プライベートな場面にもかかわらずツインテール解除を初お披露目したことが非常に不思議に思えてきます。この謎は、いずれ改めて触れようと思いますが、興味が出た方は、ぜひ[ホーリーリゾートナイト]にも触れてみて頂ければ、と思います。
もうひとつ[ホーリーリゾートナイト]と[エレガンス・プラス]で対になっている点があります。[ホーリーリゾートナイト]でツインテールを解いて生まれた可愛さは、Pがたまたま南の島に愛梨を連れて行ってあげたからこそ見れた(おそらく)偶然のものです。一方で[エレガンス・プラス]の愛梨は、今回のファッションのコンセプトに合う愛梨を探して見つけた愛梨です。ツインテールを解いたときの大人びた雰囲気と意外さを確信していて、推した人がいたからこそ見れた姿なわけです。もちろん、Pの後押しがなければ成り立ちません。
そう思うと、愛梨がこんなことを言い出したことも納得です。
えへへ、Pさんの魔法、いつも信じてますから
1-4:オトナな十時愛梨
今回のファッションのコンセプトは「おしとやかさ」ですが、実はそれ自体は愛梨にとって新しいことではありません。この直近でのモバマスでの十時愛梨のSRを振り返ってみると、[空のおくりもの]、[ほろふわシフォン]、[はずむ花の湯]と3回連続で落ち着いた雰囲気であったり哀愁であったり、オトナな愛梨を魅せてくれていました。その流れの中に[エレガンス・プラス]もあることは、並べてみると実感できるのではないでしょうか。
特にご注目頂きたいのは[ほろふわシフォン]と今回の[エレガンス・プラス]。いずれもチェック柄が衣装のデザインに取り入れられています。さらにチェック柄つながりで遡ると、デレステの前のSSR[プライベートメイド]は赤いチェックで可愛らしいメイドさんでしたので、[プライベートメイド]、[ほろふわシフォン]そして[エレガンス・プラス]という流れもあることに気づきます。*2
[プライベートメイド]は愛梨も着慣れたメイド服で愛らしい表情を、[ほろふわシフォン]ではあどけなさを残しつつ哀愁漂うセクシーさを表していたのに対して、[エレガンス・プラス]では青いチェックのスカートを大人っぽく着こなして、と順々に大人っぽい表現が完成していく様子が見て取れます。
そこで改めて[ほろふわシフォン]と[エレガンス・プラス]を見比べると、少し話が戻ってしまいますが、ツインテールを解いたインパクトの大きさを感じられるのではないでしょうか。
ちなみに[ほろふわシフォン]と[エレガンス・プラス]の間には、こんなつながりもあります。
可愛く、少しセクシーに…ですよね。よーし…
えっ、セクシーはもう十分?
([ほろふわシフォン]+)
えっ、セクシーすぎですか?
うーん、難しい!でも、チャレンジするのは楽しいですっ♪
([エレガンス・プラス]+)
1-5:悩める十時愛梨
ここからは特訓エピソードについて触れておきたいと思います。特訓エピソードで注目すべき点は2つ。まずひとつめは「悩みがなさそうに見えるのが悩み」という悩みを打ち明けられる点、そして、もうひとつは不服そうな表情をする点です。
これを聞いて、真逆の「悩みがないのが悩み」と言っていた初期の頃、とくにぷちエピソードを思い出した人もいらっしゃるのではないでしょうか。
といっても、これまでの愛梨を振り返ってみれば、普通の料理は上手く出来ないし、衣装はサイズが合わなかったんですよね。表情も海の家アイプロでは度々拗ねたり不服そうな表情を浮かべたりしていました。
ただ、その続きで語られるように、怒るのをすぐやめちゃうんですよね。もしかすると、これを世間では「怒らない」というのかもしれませんが、そのあたりは個人の尺度により変わるところかと思います。
またもう一つ、先に引用したぷちエピソード2つを見返してみると、次のように続いていることに気づきます。
つまり愛梨にとっては「悲しそうとか切ないという気持ちを表現すること」が「オトナ」と結びついているとともに、大人な女性が目標であり、さらに様々な気持ちを会得していくことが、愛梨の成長でもあることが伺えます。その目線で見ると、今回のコミュは、単に幸せそうなだけだった愛梨から、色々な感情を持った愛梨になったし、オトナも表現できる愛梨になったんだよ、という意味も持っているように思います。
とすると、モバマスで1年半かけて挑んできた「オトナな愛梨」が、内面も外面も[エレガンス・プラス]において一つの到達点を迎えた、と言えるかもしれません。
2-1:いつものオープンハート
さて、ここからは「いつもの十時愛梨」の話に入りたいと思います。
その代表例は、冒頭で紹介したハート型のネックレスです。
このネックレスは以前に書いた記事でも紹介したとおり、ティファニーのオープンハートであろう、と推定されています。上に示した初期レアと[あまほわギフト]ではネックレスのデザインが微妙に異なっていますが、どちらも似たものがティファニーの商品として実在します。そして今回の[エレガンス・プラス]ではハートが2つとなっていますが、これもティファニーのラインナップの中にありました。
となると、気になるのはシングルのハートとダブルのハートで何か意味合いが変わるのか、という点ですが、残念ながらティファニーの公式サイトの紹介文からは違いを読み取ることは出来ませんでした。ただ、「オープンハート」自体の意味は、文字通り心を開くというところにあるので、「いつもより一層心を開いて(新しいものに挑戦する)」とか「心を開きあった二人」といった意味合いを持たせているのかもしれません。
2-2:実は「いつも」じゃないオープンハート
解かれたツインテールに対して、今回、ネックレスは残ったどころか遂に3Dモデルの胸元にも見られるようになりました。というよりも、これまでのSSR3種では付けてなかったんです。
ところでネックレスがこれまでに登場した回数は、明確にカウントできるだけで14回(今回が15回目)になります。しかし、このうち特訓後に付けていたのは、実は[シンデレラガール]と[夏のお届け]の2回のみ。シンボリックなアクセサリーにしては、思いの外登場回数が少ない、といえます。
特訓後で少ない理由は、あくまで推測の域を出ませんが、例えば衣装やステージのコンセプトに合わせるために私物ではなく、準備されたアクセサリーを優先した、というところなのかもしれません。
とすると、ここでツインテールとは逆の疑問にぶち当たります。
いつもは特訓後では付けることの少ないオープンハートを、今回はなぜ、特訓後だけ付けているのだろう、ということです。
その疑問を抱えつつ、オープンハートを特訓後で付けていた過去の2回、[シンデレラガール]と[夏のお届け]を見返してみると、[シンデレラガール]は言わずもがな、初代シンデレラガールのカップを手にした晴れ舞台、そして[夏のお届け]は水着姿で愛梨の魅力を惜しみなく伝えようというグラビアのお仕事です。
いずれも愛梨本人そのものの魅力や人柄がフィーチャーされているシーンです。準備されるアクセサリーではなく、普段愛用しているアクセサリーを使っていても不思議ではない場面です。
これもまた、あくまで推測でしかありませんが、普段と違う髪型、普段と違う雰囲気の衣装、そして新しく勉強してきたポーズ、と、新しいことずくめの中に、敢えて変わらないものを入れてきたのではないでしょうか。普段と違う装いの十時愛梨の中にも、いつでも変わらない十時愛梨がいる、そのことを示すために。
2-3:「いつも」の十時愛梨
変わらないのはネックレスだけではありません。今回はコミュなどの中に、聞き覚えのあるフレーズがたくさん含まれていることに気づきます。たとえば、このふたつ。
左は「5分ともちませんでした」でお馴染みの、シンデレラガールズ劇場第33話ですよね。右は「ヒトトキトキメキ」にも出てきた[プリンセスバニー]です。
他にも、いろいろ。
『キーアイテムはレトロ風メガネ』かぁ…
久しぶりにメガネもいいかも♪
実は1st Anniversaryアイプロでメガネを掛けていたんですよね。なぜかといえば、1stアニバアイプロで共演したのが上条さんだから。
Pさんと、電話でお喋りしたいな…
でも図書館だし…
あっ、Pさんからメールだ♪
えっと……お仕事の前に、迎えに来てくれる……?
わぁっ♪ それじゃ、はやくレポート終わらせなきゃ!
このあたり「アップルパイ・プリンセス」の雰囲気がありますよね。
普段から愛梨は「アップルパイ・プリンセス」の歌詞であったり、もしくは過去のお仕事を引き合いに出すことが多いのですが、今回は特に多いです。装いの変化に対して、アクセサリーと口にする言葉もいつもどおり。変わるところと変わらないところを併せ持つところも、また十時愛梨の魅力なのです。
3-1:十時愛梨と「お勉強」
さて、今回のSSRの場面について考えてみましょう。
特訓前は図書館でのお勉強、そして特訓後はファッションモデルという新しいお仕事への挑戦。実は今回のSSRのテーマは「お勉強」なんです。そしてこのテーマは、十時愛梨においては今まであまり注目されてこなかった要素でもあります。
というのも、十時愛梨って練習風景とか作業風景とか、何かをしている過程があまり表に出ていないんですよね。例えばケーキにしても、常に完成形を手にしています。
ましてや何かに苦戦するシーンは、ぷちエピソードなどにわずかに見られる程度で、ほとんどありませんでした。あの天才・一ノ瀬志希すら「つぼみ」で苦戦する場面があるのに、愛梨含むゼッケンズはボウリングしてたので。
ですが、十時愛梨がチートキャラで何でもできるから、という訳ではない、と私は思っています。
1つめのキーになるのは[プライベート・メイド]の親愛度MAX演出。愛梨にとって誰かのことを思って重ねる努力は「幸せ」なんですよね。愛梨にとって、練習が苦しさや辛さから程遠いものだからこそ、「難なく」こなせているように見えるのではないか、と思います。
もう1つのキーになるのが今回の「劇場わいど」で、他のアイドルから刺激を受けている様子が伺えましたが、そのような向上心や好奇心を元々持ち合わせていることも、十時愛梨の成長を支えているように思えます。
それでは、「図書館でのお勉強」はどのような意味を持つのでしょうか。
これまでの愛梨は「大学1年生で大学の近所に一人暮らし」「大学の同級生に勝手にオーディションに応募された」「テニスサークルでマネージャーをしている」「キャンパスでは常に女友達が一緒」といったことが語られてきましたが、大学で何を勉強しているのか全く語っていませんでした。というか、教授に単位をおねだりしていたので、勉強しているんだろうか? と思われたりもしていました。*3
リフレッシュルームではちゃんと勉強したのは受験勉強が最後、とも。
ですが、今回、とりあえずちゃんと勉強しようとしていることは明らかになりました。友達と都合が合わなかったら図書館でレポートやろう、って発想がすごく真面目ですよね。私だったら食堂で寝てます。思えばリフレッシュルームの発言も「ちゃんと」というのが曲者で、課題をこなす程度は「ちゃんと」のうちに入らない、ということなのかもしれません。ただ、実際には脇道に逸れてレポートが進んでいないので、「ちゃんと」ではないとも言えます。
いずれにしても、いきなり完成形の姿を見せることの多かった十時愛梨において「お勉強」という今回のテーマは、かなりレアな存在であると言えます。
3-2:新しい挑戦を「プロデューサーと」
さて、ファッションモデルのお仕事が、これまでのグラビアとは勝手が違う=ファッションモデルにふさわしいポーズや表情を勉強するという意味を持っていることは先述した通りですが、その先の特訓エピソードではPへの感謝の気持ちへと繋がります。
思い返してみると初期レアのころの愛梨はアイドルが何なのかすら分かっていませんでしたが、Pに連れられてアイドルのお仕事をするうちに、どんどんアイドルのお仕事が楽しくなっていく様子が言葉に溢れていました。
こんなお仕事するんですね~
ドキドキしますね
頑張るんですっ
えへ、Pさんとお仕事するの楽しいですね!
Pさん、大丈夫です! どんどんお仕事しましょ!
そして、新しいものへ挑むときの気持ちは、今もあの頃と変わらないことがわかります。その挑戦をさせて見守ってくれるPへの感謝の気持ちも、同じです。
アクセサリーを付けているだけでも、過去を思い起こさせるフレーズを口にしているだけでもなく、その根底にあるものが初期レアのころから揺るがない。そんな[エレガンス・プラス]は[カップオブラブ]に並ぶ、もう一つのスタンダードだと、私は考えています。
まとめ:エレガンス「プラス」であること
髪型を変えて、装いを変えて。
それでも、胸元のハートと言葉に込めたハートは変わらず。
だからこそ「チェンジ」ではなく「プラス」、今までの十時愛梨に新しい一面を付け加えた、という意味を込めての[エレガンス・プラス]なのではないかと思います。そして、「お勉強」というテーマからは、根の真面目さであったり、他のアイドルから刺激を受けたり、ファンを想う心であったり、アイドルとしての真摯な姿勢があることも伺えます。
そういえば、[はずむ花の湯]ではこんなことも言っていました。
初めて見るような、懐かしいような…切ない景色だけど…ステキ…
今回の愛梨が、まさしく初めて見るような、懐かしいような、そんな愛梨だと思います。見る人とこれまでの愛梨との接し方に応じて、それぞれ違った見え方をしているはずです。
この記事が、今まで十時愛梨に縁遠かった人はもちろん、前々から知っていたという人にも、より十時愛梨を深く知ってもらえるきっかけになれば嬉しいです。
さて、最後にひとつご紹介したいものがあります。
「ガールズ・イン・ザ・フロンティア」ですよね。
十時愛梨は、あの曲とは雰囲気が違うアイドルだとは思います。でも、十時愛梨のアイドルとしての心意気、そして今回のSSRのコンセプトは、まさしくフロンティアに立つアイドルだと思います。
守るべきは過去じゃない。自分の足で歩け、初代シンデレラ。
・余談1:誰がツインテ解除を提案したのか?
ところで今回ツインテールを解くことを提案したのは、誰だと思いますか?
色々な可能性が考えられるところですが…
1.プロデューサー
一番に思いつくのはこれだと思います。だって南の島でツインテールを解いた姿を見ていて、かつ、ファッションモデルのお仕事を取ってこれる人なんですから。ツインテールを解除した愛梨の破壊力を知った上で、それを色々な人に見て欲しい!と思うのは納得できるところです。
2.クライアント
アパレルメーカーの人やファッション雑誌の編集員が超天才で、髪を下ろしたり大人っぽい服を着たときの十時愛梨のポテンシャルを見出した可能性もある、かもしれません。といっても愛梨は既に「オトナ愛梨3部作」を経験していますから、それをどこかで見かけて、大人っぽい服も似合うのでは、と発想することも可能だとは思います。
3.愛梨本人
これが一番意外かもしれない選択肢ですが、愛梨本人が言いだした可能性もゼロではありません。先述の通り相葉ちゃんがコーデに合わせた被写体になったことに感じ入っていた様子もありましたし。ミニライブ開演直前に迷子を探すと言って聞かなかったあの頑固さを思うと、周りの大人達が愛梨はツインテールだから…と思っていたところに「今回のお洋服、ツインテールじゃ無いほうが似合うと思うんです」と言い出してもおかしくはない、とも思います。
やたら過去へのリンクを貼りたがる(2-3参照)十時愛梨なので、後々になってひょっこり判明するかもしれませんが、今はとりあえず憶測で。
・余談2:十時愛梨は勉強しているのか?
愛梨の学力や知力に関しては中々推測が難しいところです。例えば桐生つかさの「マジリスペクト」が理解できなかった一方で、つかさからコメントを求められた時には的確に返して頭の回転が早そうな印象がありましたし、「Sweetches」を英字表記にしようと提案したのは愛梨でした。その掴みどころのなさが、愛梨の魅力だとも言えそうですが、今後の言動にも注目です。
・余談3:十時愛梨は理系なのか?
ところでTwitterでは愛梨の手元にある本のデザインがマセマ出版社の「スバラシク実力がつくと評判の量子力学」に似ていることが話題になりました。そのことから「十時愛梨は理系なのか?」という点が話題になっています。
実際にマセマの量子力学の実物を手に取ると、2つのことに気づきます。
1つめは中身。その大半は数式であることに気づきます。その式変形を一行ずつ理解したり暗記することは、正直なところ難しいです。ですが、例えば「P.○○の例題○○を見て、次の式を変形せよ」というレベルのレポート課題に使っているだけだったとしたら、極端な話、何も考えず書き写すだけで終わります。
つまり、何が言いたいかといえば、使っているテキストがわかったとしても、そのテキストがどのように使われているのかがわからなければ、持ち主がどのような勉強をしているのかを推測することはできない、ということです。
もう1つは表紙。「単位なんて楽に取れる!」と、あります。もしや、この文字を見て本を選んだのでは…という説も、アリと言えばアリです。
※買った。
よって、現時点で持ち合わせている情報だけでは十時愛梨が理系である、と断定するには不十分であると考えます。いわんや、専攻をや。
ただ、理系の中でも農学部や薬学部などは男女比の均衡が取れており、「キャンパスでは常に女友達と一緒」という点と符合しますし、趣味の「ケーキ作り」から考えると食品関係を扱う農学部や、「進学のため上京してきた」という点から考えると秋田県には大学がない薬学部あたりは、可能性があるかもしれません。
これも、今後を待つことにしましょう。
・余談4:十時愛梨と帽子
帽子、似合ってますか?ふだん、あんまりかぶらないから…
今回のファッションのもう一つのポイントは「帽子」でした。
たしかに本人の言う通り、私服で帽子を被っていたのは[プライベート・メイド]の特訓前くらいです。これはビーチでの日差しよけという面が強いかもしれませんが。
あとは[パンプキンパーティー]の特訓前のヘッドドレスがハット状ですが、そもそもパーティードレスなので、[エレガンス・プラス]とは少し趣きが違いますね。
ところで、お仕事でのヘッドドレスとしてハットは何度か被っています。特に面白いのがゼッケンズのときで、CDのジャケ写ではユッコ以外4人がハットを付けていたのに、デレステでは何故か愛梨以外リボンにしてるんです。
実はお仕事ではハット好きなのかもしれません。