think Airi project

十時愛梨を考えるブログ。




Think Airi 024 モバマスのカップオブラブを語る

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年の瀬ですね。
2019年、色々とありましたが、今年最後の謎を解いておきたいと思います。

それはモバマスの[カップオブラブ]です。

 

■見た目は同じ。

モバマスの[カップオブラブ]は、初出がデレステ。いわゆる「逆輸入」と呼ばれるSレアです。

しかし、見た目は同じですが、すべてのセリフが再収録されており、微妙に言動が異なる点が特筆されます。今回は「逆輸入」にあたって何が変わったのかを中心に考えてみたいと思います。

 

■何度も作ったカップケーキ

と言っても、「みんなで焼いたカップケーキをPにおすそわけする」という点は変わりありません。一緒にケーキを焼いてたかな子に味を褒められる、という点も同じ。

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ですが、親愛度MAX演出を見ると、ちょっとした違和感が生まれます。

 

作るたびに、Pさん好みの味に近づいてる気がするんです。
それとも、味覚が似てきたのかなぁ?えへへ♪

 

そう。「作るたびに」という箇所から、モバマスの[カップオブラブ]では、既に何度かカップケーキを作っていることが伺えます。そして、これがデレステでどう言っていたかというと…

じつはー…Pさん好みの甘さになってます♪

デレステではP好みの甘さを狙って作る、いわば決め打ちのような格好になっているわけです。これがモバマスだと、繰り返し作ったことで自然とP好みの味に近づいた、ということで、やはりカップケーキを繰り返し作っているという点が目立ちます。

 

■ラストのパラダイムシフト

続いて特訓後。これも親愛度MAX演出で意外な展開を迎えます。

Pさんは王子様っていうより、騎士様みたいです♪

まじかーーー!!!!!

このブログをご覧の方にはお馴染みだと思いますが、『アップルパイ・プリンセス』には「君とならそう私はプリンセス」という一節があり、そしてデレステ版の[カップオブラブ]では「P=王子様」という構図での言動が、愛梨の発言の端々に登場していました。


しかし、モバマスでは王子様というより騎士様、という新しい概念が登場したのです。

 

「逆輸入」で一見何ら変わらないように見せて、最後の最後に親愛度MAX演出という場面でパラダイムシフトが起きる。

十時愛梨、やっぱり油断ならねぇな、って思います。

 

■プリンセスではない愛梨?

さて、続きを見ていきましょう。

Pさんみたいにいつも一番近くで守ってくれる人がいるから、
優しく笑えるんですよ♪
プリンセスも、アイドルも…愛梨も!

 

デレステでは「じゃーん、おてんばプリンセス愛梨ですっ☆」とか、「アイドル愛梨とPさんのお話は、ここからが本番ですよね♪」という発言がありました。プリンセスである愛梨とか、アイドルである愛梨とか、そういったものが念頭に置かれています。

そして、確かに、モバマスでの[カップオブラブ]でも、アイドルコメントは「プリンセス愛梨がみんなを夢中にしちゃいますっ!」というような発言もあり、「プリンセス愛梨」というワードも登場しています。

 

しかし、それゆえに親愛度MAX演出が不思議に思えます。最後に「プリンセス」と「アイドル」と「愛梨」の3つが並列されていて、あたかも、プリンセスでもアイドルでもない愛梨がいるようにも見えます。

 

以上をまとめると、こうです。

デレステでは「プリンセス=愛梨」「王子様=P」という構図を徹底していましたが、モバマスでは、Pは王子様ではなく騎士様であり、愛梨もプリンセスではない面があるかもしれない、ということで、どうやらデレステモバマスでは構図が違うようです

 

■「騎士様」とは?

さて、「騎士様」という概念が突然出てきたように言いましたが、実は伏線がありました。それは特訓前のアイドルコメントです。

癒しのティーパーティーでゆっくりしてください、働き者のPさん♪

「働き者の」と言っていますよね。これが特訓後の親愛度MAX演出の「Pさんみたいにいつも一番近くで守ってくれる人がいる」という箇所に繋がり、そして、「一番近くで守ってくれる人」を指して「騎士様」というワードが出てくるわけです。

 

ところで、デレステでの[カップオブラブ]では、Pは、プリンセス愛梨とともに歩き、時に手を引く存在としての「王子様」でした。一方、モバマスでの[カップオブラブ]では、Pは「一番近くで守る」存在に位置づけられています。

 

そういえば、今回の特訓前と特訓後で共通するセリフで、こんなものがありました。

好きなことができて幸せですっ

これはあくまで推測ですが、デレステの[カップオブラブ]とモバマスの[カップオブラブ]とでは、愛梨の意識の違いがあるように見えます。デレステでは「Pに手を引かれる存在としての愛梨」ですが、モバマスでは「Pに守られながら自分の意志で進む愛梨」とでも言えるでしょうか。

ところで、自らの意思で進む、というテーマは、愛梨にとっては最近のモバマスではお馴染みのものですし([ほのぼの花歌]とか)、頑張っているPを愛梨が癒やしてあげる、というシーンも、モバマスでは定番になっています([はずむ花の湯]とか)。モバマスの[カップオブラブ]は、モバマスでの流れと合致していると言えます。

 

と、いうわけで、モバマスの流れの中では、「王子様」よりも「騎士様」のほうが、合理的だったと言える、かもしれません。

 

■親愛度MAX演出の比較

ところで、デレステ版と親愛度MAX演出を見比べてみましょう。

デレステの[カップオブラブ]においては、十時愛梨のストーリーはPと一緒に考えていく、というくだりで締めくくられていました。言い換えれば、デレステ版でのPの役割は「愛梨と一緒にこの先のあらすじを描く」ことにあります。

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一方で、モバマス版でのPの役割は「いちばん近くで守る」というものでした。

 

この両者の違いですが、もしかすると直近のカードである[ほのぼの花歌]が影響しているのかもしれません。[ほのぼの花歌]で愛梨は「何千年先も、みんなの心に残るような…そんなアイドルになりたいです」という決意を語っていました。

 

デレステ版で言うところの「この先」が、何千年先みんなの心に残るアイドルなのだとすれば、あらすじはもう既に愛梨とPが決めた後だというわけです。モバマス版の[カップオブラブ]は、歩むべき道が決まった愛梨とPの決意と覚悟が示されているのかもしれません。

 

■まとめ:もしかするとループ2周めかもしれない

デレステモバマスでは、どうやら構図が違うようだ、ということがわかりました。そして、どうやらモバマスのほうが、デレステよりも、もう少し先の話をしているような気がします。

モバマスで作ったカップケーキが、それまでに何度か作っていたようだ、という話を先述しました。もしかすると、デレステで作ったカップケーキが一回目、モバマスはその何度か後、と解釈できるかもしれません。

 

デレステの[カップオブラブ]とモバマスの[カップオブラブ]。見た目は確かに同じです。ですが、台詞はすべて新録されているだけでなく、その内容も新しく組み立て直されています。単なる流用や移植という範疇を超えた手間が掛けられていることが伺えます。

モバマスでは2020年初旬に恒常ガチャに追加予定の[カップオブラブ]。デレステでお迎えしたことがある人こそ、モバマスでもお迎えしてみて欲しい、と思います。

 

余談:即断即決の愛梨

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シンデレラガールズ劇場1371話より。

そういえば愛梨が何かに迷ってる場面って無くて、割と即断即決ですよね。頑固なところもあったりしますし、意外とふわふわしてない面があるんです。

 

余談:あっ、スウィートシロップだ。

右側が初期レアの衣装(スウィートシロップ)

初期の衣装も大切に着てるんだ…っていうところがエモいですよね。